その道の達人たち

酪農家

1800ほどある契約酪農家が1日2回、夜と朝グリュイエールAOP生産の為の生乳を運んできます。平均的な酪農家で30~50頭の牛を所有しています。夏は新鮮な牧草、冬は干草を食べる牛の生乳からグリュイエールAOPは作られます。飼料もグリュイエール産を与え、ホルモン剤の使用は一切認められていません。加熱処理されていない生乳を使うことによって牛乳本来の風味、栄養素を最大限に活かすことができます。


チーズ職人

現在グリュイエールAOPには160ヶ所の製造所があり、チーズ職人たちは代々伝わる製法に基づきチーズ作りをしています。

チーズ職人はチーズ作りの達人です。一人前の職人になるため専門学校で4年間チーズ作りを学びます。この職人たちの知識、経験、技術無しではグリュイエールAOPは全く違う製品になっていたでしょう。これらの職人たちの手によりグリュイエールAOPはより個性的なものになりました。

グリュイエールAOP生産のため、チーズ職人は夫婦で週7日ほとんど毎日働きます。数人の従業員を雇い数日間の休みをとっているところもあります。早朝5時から仕事を開始し、昼には生産を終えます。午後からは地下貯蔵庫で熟成過程の段階にあるチーズの手入れをし、夜7時頃に酪農家から届く生乳の手入れをして一日を終えます。

チーズ製造所の貯蔵庫での3ヵ月間を終えると、チーズは熟成士のもとへ運ばれます。


アルプスのチーズ職人

夏の5月から10月初めには約50ヶ所のチーズ製造所がアルプスの山の上でグリュイエール AOPアルパージタイプを作ります。全ての工程がアルプスの山の中で行われ、チーズ作りを行う小屋の周りでは牛の群れが牧草を食べています。夜に搾乳した生乳と翌朝に搾乳した生乳を混ぜ合わせグリュイエール AOPアルパージタイプを作ります。薪をくべて火をおこし、チーズは布で圧搾されます。その後は熟成士の手に渡り、他のタイプのチーズと共に熟成のための手入れが行われます。アルパージタイプのチーズはチーズ職人の家に先祖代々受け継がれる手法により作られます。


熟成士

グリュイエールAOPの熟成所はスイスには11ヶ所あります。熟成士は運ばれてきた全てのチーズをまずは数週間管理します。その後より芳醇なチーズを作るため長期熟成用のチーズを選別します。グリュイエールAOPとしての認定を受けるには熟成期間が最低5ヶ月間は必要です。

熟練の熟成士のもとで数ヶ月間管理されるチーズは、熟成に適した湿度の高い地下貯蔵庫に保存されます。グリュイエール AOPの唯一無二の味をだすには、ここでの適切な管理がとりわけ重要になります。湿度92%、室温12~18℃の貯蔵庫でチーズは熟成過程に入ります。熟成庫内にはグリュイエールAOPチーズの熟成の証であるアンモニア臭が広がっています。保存されている間は、定期的にひっくり返したり、塩水で表皮を磨いたりします。これはグリュイエールAOPの品質を高めるだけではなく、世界各国にいる顧客へチーズを届けるためにも大切な過程です。

ひとつひとつのグリュイエールAOPは個性的です。天候、牧場やチーズ製造所の場所、チーズ職人と熟成士の知識。これらの要素がチーズ作り全ての過程に影響を与え味が変わってきます。熟成期間6ヶ月で食べごろになるチーズもあれば、16ヶ月を必要とするチーズもあります。熟成士は知識と経験を活かし、それぞれのチーズの良さを一番引き出せるよう努めています。

消費者に最高の状態のチーズを提供できるように、熟成士たちは五感をフルに働かせチーズの手入れをします。