Le Gruyère AOPの歴史

グリュイエールチーズの発祥地であるスイスのフリブール州グリュイエール地方では、1115年より今日までチーズ製造所に受け継がれる伝統の製法によりグリュイエールAOPが生産されています。同じくヴォー州、ヌシャテル州、ジュラ州そしてベルン州の一部の地域でもグリュイエールチーズは作られています。


12世紀ー 先祖代々受け継がれる製法

12世紀よりグリュイエール地方はチーズ作りで有名でした。中世の年代記には当時の村人たちの高脂肪チーズ作りのノウハウに関する記述もあり、このチーズは当時すでにフランスやイタリアまで流通していました。


17世紀 ー 商標と生産地の公表

17世紀はグリュイエールAOPチーズの歴史の中で最も重要な時期でした。1655年に正式にグリュイエールチーズという名称になり、この頃から輸出量も飛躍的にのびていきました。この時期には初めて原産地保護の視点に動きがあり、チーズ表面への刻印の開始、また1762年にはアカデミーフランセーズの辞書にこのチーズの原産地であるグリュイエールの単語が登録されることになりました。


19世紀 ー 生産地の拡大

18世紀から19世紀にかけてフリブール州では住民の移住が盛んになり、結果グリュイエールチーズはヴォー州、ヌシャテル州、ジュラ州、さらに国境を超えてフランスまで生産地が広がりました。当時は商業上の規制がなく、品質の違いはありますが、グリュイエールチーズは模倣されるようになりました。そこで19世紀中頃より原産地に由来する名称を広く認知させ、チーズ職人という仕事の構造を確立する動きが高まりました。


21世紀 ー  原産地統制名称(AOC)と原産地保護名称(AOP)

1891年にマドリード、1926年にパリ、そして1930年にローマで行われた会議で商標と原産地を統制・保護する初めての協定が結ばれます。グリュイエールチーズがスイス国内でこの原産地統制名称(AOC)を取得するのは2001年7月6日、そしてユーロ圏内での原産地保護名称(AOP)取得は2011年のことでした。