原産地保護 AOP

原産地保護名称(略称AOP)は特定の食品に対して公式に生産地と品質を限定するマークとして認識されています。このAOP食品の特徴的で唯一無二の風味は生産地に深く根付いているのです。AOPマークは伝統的な製法に基づき生産された製品の本物の証です。

グリュイエールAOPチーズは2001年にスイス国内でAppellation d’Origine Contrôlée(原産地統制名称、略称AOC)を取得しました。2011年12月からはヨーロッパ内でも認証され Appellation d’Origine Protégée(原産地保護名称、略称AOP)と呼ばれています。他のAOP製品と同じく、全ての製造方法は厳格に規制されています。他にも世界各国でグリュイエールの商標は規制・保護されています。

AOPマーク取得に必要なもの

  • 伝統
  • 生産地の限定
  • 商品名
  • ノウハウと歴史
  • 製品

Le Gruyère AOPの生産地域

グリュイエールAOPという名前はスイスのフリブール州グリュイエール地方が由来です。この土地に1115年から受け継がれる伝統の製法によりこのチーズは生産されています。今日ではフリブール州のみならず、ヴォー州、ヌシャテル州、ジュラ州そしてベルン州の一部の地域でもグリュイエールチーズは生産されています。

刻印:消費者の保護

全てのチーズは型番号とチーズ製造所コードによって組織的に管理されています。チーズの表面には同じく製造年月日も明記されています。この黒字のマークはカゼインと呼ばれるチーズのタンパク質で作られています。この過程においても添加物や人工的なものは一切含まれていません。

タロンと呼ばれるチーズの側面には「Gruyère AOP」とチーズ製造所番号が刻印されています。この刻印により不正品を防止し、本物のグリュイエールAOPチーズであることを保証しています。

この側面の刻印をだすために型抜きされた鉄板が使われており、この刻印によってチーズを識別・管理することができます。

仕様書

グリュイエール チーズの製造工程は発祥当時のままで、チーズ職人たちはAOP(原産地保護名称)システムによって定められた仕様書の規則に沿って当時の方法を綿密に守っています。

要約

  • 畜牛に与える飼料の70%は農場から運ばれる
  • サイロに貯蔵した牧草は一切不使用
  • 生乳は一日2回契約牧場から運ばれる
  • 添加物不使用
  • 全ての生乳の管理
  • チーズ製造所の近くで搾乳された生乳を使用(範囲20キロ以内)
  • 搾乳後18時間以内に利用
  • 非加熱処理
  • 防腐剤不使用
  • 成長ホルモン剤不使用
  • グリュイエール AOPの生産は1日に1回
  • チーズ作りに使うのは、上部が開いた最大容量6,600リットルの銅製タンク
  • 製造に使われるのは夜と朝に搾乳された生乳
  • 全てのチーズはカゼインマークによって製造年月日とチーズ製造所を管理
  • 添加物不使用
  • 熟成期間5ヵ月以上で商品化
  • 洞窟や地下室で貯蔵
  • エピセアの木でできた板
  • 熟成庫内の環境の管理(室温12〜18℃、湿度92%)
  • グリュイエール AOPチーズの手入れ